20160321-1

史上初のセンバツ出場が決まった長田高校。選手たちの素顔に迫るべく、第3回目の最後は、3年生マネージャーで、いつもfacebookやtwitterからの情報発信をしてくれている小無田さん、そして選手コーチという立場でチームを支える大堺くんにインタビューさせて頂きました。

―よろしくお願いいたします。では、自己紹介とセンバツ出場が決まって思ったことを
小無田「小学校3年生からソフトボールチームに入り、中学校に入っても続けていました。プロ野球も高校野球も好きで、何度か甲子園に足を運んでいたので、自分がそこに入ることができるというのが、まだ現実だとは思えないくらいです」
大堺「まず僕が野球を始めたきっかけですが、実は僕のおじいちゃんがプロ野球選手なんです」
―え?(笑)
小無田「サラブレッドやんな」
―じゃあ、まずおじいちゃんの紹介を(笑)
大堺「1960年に阪神タイガースに投手として入団しました。サウスポーです。本人はこれあまり言ってほしくないらしいですけど、王貞治が4打席連続ホームランを打った試合があって、そのうちの2本は僕のおじいちゃんが先発して打たれたホームランだということで名前が残っています。プロ生活は9年でした」
―へえ~!!そりゃあ野球やるよね
大堺「はい、ずっと小さいころからキャッチボールをしてました。」
―小無田さんは、長田高校に入ってマネージャーをすることは決めてたの?
小無田「いえ、最初は決めてなかったです。ずっと続けてきたソフトボールを続けるつもりだったのですが、入学してから長田高校にソフトボール部がないことに気づいて。そこからいろいろ考えたんですけど、やっぱり野球から離れたくなくて。それで、どうしたら野球に携われるかって考えた時に、野球部のマネージャーしかないかなと思って」
―では、お互いの第一印象は?
小無田・大堺(苦笑)
―まあ、そこは長田野球部を支えるパートナーな訳だから(笑)
小無田「私、(大堺のことを)”イヌオ”って呼んでるんですけど、ほんとイヌに似てて。顔が。ベンチでもイヌオーって呼んでます!」
―確かに似てるような
小無田「(真面目モードで)ベンチでもすごい助けてくれます。いままでは記録員が固定されておらず、毎試合ごとに控えの選手が記録員をしていたので、マネージャーが当日の記録員にいろいろ教えながら試合をしないといけなかったんですけど、大堺が選手コーチという立場で固定で記録員をしてくれることで、すごく助かっています」
―ここで少し「選手コーチ」という役割について教えてもらえますか
大堺「ふだんは僕が選手の動きを見て、客観的にアドバイスできるところはアドバイスしています。練習中や試合中、スマホでバッティングやピッチングの動きを撮影して、後で選手と一緒に映像をみながら、もっとどうしたらよくなるかを話し合います」
―長田高校で「選手コーチ」が置かれるのは久しぶりだと聞いていますがきっかけは?
大堺「もともとは、退部を考えていたんです。1年の冬頃、体調を崩してグラウンドでもめまいがするようになって。プレーするのが厳しいかなと思うようになって、永井監督に、退部の意思を伝えたんです。そうしたら「お前野球嫌いなんか?」と言われて」
―なるほど
大堺「僕は野球が好きだったので、「いや、野球好きです」と答えました。そうすると、監督に野球を見る目がチームで一番あるから「選手コーチ」という仕事をやってみないかと言われました。しばらく考えたんですけど、野球から離れたくなかったので「選手コーチ」になる決意をしました」
―選手コーチとしてのやりがいは
大堺「大会中は相手校の分析をします。データをまとめて試合前にみんなにミーティングで内容を伝えます。データを活かしてチームが勝つことができた時は、チームに貢献できたように思って、それが一番うれしいです」
―そんな大堺くんからみた小無田さんはどんなマネージャーですか
大堺「とにかく仕事が早いです。一つ一つの仕事が正確で早いので選手たちも助かっています」
―逆に小無田さん、どうですか?
小無田「さっき話してましたけど、分析力は本当にすごいです。一つ前の代のチームでも「あの分析当たってた!!」っていう試合が何回かあって。あとは、選手とマネージャーの仲介役みたいな感じで、ふだんはグラウンドにいて選手を指導していますし、私が手を離せないときは、マネージャーの仕事も手伝ってくれたりで、本当に欠かせない存在です」
―対戦相手を分析する時に気を付けていることってありますか?
大堺「相手の立場に立つことを意識しています。ピッチャーなら次なに放りたいかな、バッターなら次こんな球きたら嫌やな、みたいな感じで、できるだけ想像します」
―なるほどですね。相手の立場に立って、考える。相手の立場に立ってものを考えろと、社会人になってから何回怒られたことか・・・(苦笑)。でも、これほんとに長田高校にしかできない強みですね。甲子園に向けて、どういう準備をしていきたいですか
小無田「選手に対してはご飯の量ですね。三宅キャプテンからもご飯の量を増やしてほしいと言われているので(※)、検討中です。それと、情報発信をどんどんしていきたいです。大堺とは、実はセンバツ決まる前から、応援歌のラインアップを考えたりしてました。大堺が、特にパ・リーグ詳しいので!笑」
※長田高校野球部では普段から練習後、1人1合のおにぎりをマネージャーが選手一人ひとりにつくっている
大堺「みなさん言われているように、チームの大黒柱は園田投手です。なので園田のレベルアップは欠かせないのですが、甲子園で勝ち進むためには2番手、3番手のピッチャーの育成が大事になってくると思っているので、そこは意識してアドバイスしていきたいです。新2年生の今井、岡本に期待したいと思います」
―最後に、今大会注目選手をお二人の視点から
大堺「僕が期待しているのは、吉田と藤原の新2年生コンビです。この2人の調子の良い悪いが、実はチームの調子の良さのバロメータなんです」
小無田「ベンチ内で言えば、中井と柏木です。この二人はベンチの盛り上げ役です。それから、岡本と清水。この2人はランナーコーチをしてくれているのですが、岡本は元気がよくて相手にプレッシャーを与えることができますし、清水は冷静な判断力を持っています。この2人にも注目してほしいです」
―なるほど。ありがとうございました。しっかりと注目していきたいと思います。ありがとうございました!!
編集後記:どうしてもこの2人のことを取り上げたくて、記事にさせて頂きました。選手コーチの大堺くん、新3年生マネージャーの小無田さん。この2人がほんとにナイスコンビで、長田高校野球部を支えています。野球が、そして長田高校野球部が大好きなんだということがよくわかるインタビューでした。いよいよ明々後日、24日に迫った長田高校の記念すべきセンバツ初戦。長田高校野球部は、「チーム一丸」で、戦っています。

※甲子園開幕まで、選手たちのインタビュー記事を掲載させて頂きました。
※文責:59回生OB 塩崎
※写真は1枚目から「(左)小無田(右)大堺」「(左)中井(右)柏木」「(左)清水(右)岡本」「(左)藤原(右)吉田」

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